5月中旬、ようやく春らしい季節になってきましたね。

宇都宮市、駅前大通の街路樹マロニエが、綺麗に花を咲かせています。
マロニエは、ギリシアやブルガリア付近が原産で、パリを始めヨーロッパ各地の街路樹などとしてよく植えられています。
日本のトチノキに似ていて白い花を咲かせますが、葉がやや小型で実のさやに刺があります。

栃木の県木であるトチノキは北海道西南部から九州に分布する落葉高木です。おもに冷温帯域の山地に生育し、高さ30mほどの巨木に成長します。沢筋や谷沿いなどの土壌・水分状態の良好な場所に多く、5~6月に大型の房状花序を付け、白い花を咲かせます。

トチノキ マロニエ

また、マロニエと米国産のアカバナトチノキ (Aesculus pavia) を交配したベニバナトチノキ(Aesculus x carnea) が街路樹に植栽されることが多くなりました。

アカバナトチノキ ベニバナトチノキ

県民は、このベニバナトチノキを白い花を咲かせるトチノキと区別して通称マロニエと呼んいる様です。

街路中に使われるセイヨウトチノキ(通称マロニエなどは、殆どがトチノキを台木とした接木によって生産されています。
根元から50cm程度の幹を観察してみましょう。特異なふくらみが見られたり、幹肌や色の違いが判りますよ。
今年は、雨が多い天候不順が続きましたが、急に暖かくなったことからか、谷筋の適度に湿った良好な土壌を好むトチノキにとって、快適な環境になったのか、本当に見事な景観を作っています。

余談ですが、駅前大通りの裁判所から足利銀行本店前の交差点の歩道は私が20数年前に計画した作品です。
少し高さのある、植栽帯を地場産の大谷石(新大谷)でデザインし、ベンチの機能を兼ねるように計画しました。
この歩道は、朝夕の通学に生徒の多くが自転車を利用しています。歩道を有効に活用できる上、休憩できる機能も考えました。

都心で季節の移ろいを感じられたらと思い、4種類の植栽で構成させました。
初春にはキリシマツツジの赤い花、春はマロニエの薄桃の花、初夏にはシャラノキの白い花、秋にはクロガネモチノの赤い実が四季の訪れを教えてくれます。